秋元劇団の“原石”本西彩希帆、舞台「夜明けの―」に出演
作詞家の秋元康氏(60)がトータルプロデュースする「劇団4ドル50セント」の本西彩希帆(20)がこのほど、スポーツ報知のインタビューに応じた。30日に東京・新宿KeyStudioで週末定期公演第1弾「夜明けのスプリット」が開幕する。
プロ野球・オリックスなどで活躍した本西厚博(現・独立リーグBC信濃監督)を父に持ち、2月の旗揚げ公演では劇団員28人からメイン8人に名を連ねた。秋元氏が自身の「原点」と肝を入れる劇団の“原石”として期待される1人だ。
劇団名は、1960年代を代表する歌姫ジャニス・ジョプリンが27歳で亡くなった時、握りしめていたマールボロの釣り銭の金額に由来する。「彼女が握りしめたかったものは、もっと違ったものだったと思う。代わりに夢をつかむ」―。秋元氏の思いを託された28人の新たな挑戦が始まる。
30日から毎週末に甲組、乙組、丙組に分かれて同一演目を上演する定期公演が開幕する。本西は甲組にラインアップ。毎週金曜の公演は観客投票によってキャストが決まるという、劇団員にとってもシビアな戦いとなる。
「今から緊張感は半端ないです。旗揚げ公演のときも、終われば楽しかったな、となる。でも、楽しむまでにいくのが大変。今は怖い8割、楽しみ2割ですね」
本西は劇団に入るまで、保育士を目指す普通の女子大生だった。秋元氏が手がける乃木坂46に憧れ、初めて受けたオーディションで約5000人の戦いを勝ち抜いた。旗揚げ公演も、劇団内オーディションでメインキャストに入った。
「乃木坂さんのオーディションも、こんなちんちくりんが受かるわけないと思って受けなかった。この劇団でも、最初はこの空間にいていいのかという気持ちもあった。でも、ちょこっとだけ自信になりました」
劇団に入ってからも控えめな性格で、どこか塞ぎ込みがちだった。昨年12月2日の出来事が転機となった。スタッフの勧めで髪を30センチ切ってショートにした。
「抑えていた自分をさらけ出せるようになった。ここまで切って、隠れていた顔も全部見える。恥ずかしがっていても仕方がない。髪を切ったことが一番の理由で(旗揚げ公演の)メインキャストにもなれた。周りも『明るくなった』って。劇団の中でも、ここまでのショートはいないので“ショート枠”をキープしていきたいです」
父は、オリックスなどで守備の名手として活躍した元プロ野球選手だ。プロの世界を生き抜く姿を間近に接してきた。
「お父さんが戦力外通告されたときとかも見てきた。つらいことってあるんだなと幼心に思った。私は恵まれているなと思います。お父さんには合格した後にオーディションのことを伝えたんですが、笑っていました。『おぉ!』って。『自分も好きなことをやってきたから』って。お母さんも背中を押してくれました」
本西選手と言えばオリックス時代が日本一に輝いた1996年、巨人との日本シリーズ最終・第5戦でのプレーが有名だ。センターで浅い飛球を好捕しながら、塁審は「フェア」と判定。グラブを放り投げて抗議した。
「私が生まれる前のことだけど、家でも話題になって、聞きました。小学生の頃に一緒に野球殿堂博物館に行ったとき、『これ、パパだよ』って。その帰りに、『あれは絶対に捕っていたから、俺はああやった(グラブを放り投げた)んだ』と。お父さんがここまで言うってことは本当に捕ってたんだなと(笑い)」
三姉妹の末っ子として育ち、自らを「乃木坂46のオタク」と称する。
「性格の面で言えば、オタクなので、そういうところもいかしていきたい。『薄桜鬼』というミュージカルが好きで、劇団のオーディションも、劇団だと舞台だし、秋元さんだし、あっ、これいいんじゃないって軽いノリで受けたんです」
漫画やゲームなどを原作にした「2・5次元」の世界に対する興味が強い。
「最終的な目標は“2・5次元女優”と言われる人だけど、色んな人と出会って、色んな人とお芝居してみたいと思うようになった。私でいいって言ってくれるものがあれば、ドラマでもバラエティーでも、どんなジャンルでもどんどん出て行きたいなと思うようになりました」
目指すのは「求心力のある女優」という。
「尊敬している人に富田麻帆さんがいて、普段は子供っぽかったりするけど、舞台に立つと一変したりする。どんな舞台に出ていても、その人を見てしまう。そういう女優さんになりたい。劇団でも周りは、自分よりレベルの高い人たちばかりだけど、もっとたくさん経験を積んで、どんどん色んなことに挑戦していきたいです」
◆本西 彩希帆(もとにし・さきほ)
1998年5月27日、千葉県生まれ。20歳。3姉妹の末っ子。17年11月に「劇団4ドル50セント」のプレ公演でお披露目され、18年2月の旗揚げ公演でメインキャストを務めた。4月に舞台「星の王女さま」で乃木坂46・伊藤理々杏らと共演。身長158センチ。◆本西 厚博(もとにし・あつひろ)
1962年5月15日、長崎市生まれ。56歳。85年ドラフト4位で阪急ブレーブス入団。89年にゴールデン・グラブ賞を獲得するなど守備の名手として活躍。通算1389試合で打率2割5分8厘、22本塁打、240打点。2001年引退後はロッテ、楽天のコーチなどを務め、16年からBC信濃グランセローズ監督。
(※https://www.hochi.co.jp/entertainment/20180628-OHT1T50276.htmlより)
劇団4ドル50セント所属
本西彩希帆ちゃん
4ドル50セントの劇団員の中で、
DOG出演の4人以外で一番惹かれた劇団員。
本公演のオーディション動画のお芝居に
キラキラしたものを感じたんですよね。
「夜明けのスプリット」でのメガネ役も、
3組の中で一番好き。
これからがすごく楽しみな存在です。